どうも、やまそうです。クリスマスの時期ですがいかがお過ごしでしょうか。自分は、最近発売された「喫茶ステラと死神の蝶」というえっちやねゲームをやってました。ゲーム内での時間がリアルタイムと被っているのが地味に精神的ダメージを与えてきますね…ナツメちゃんみたいな彼女が欲しい人生だった…
↑音ゲーマーの知ってるCait Sith(ケット・シー)はこっち
さて、最近「BEMANI PRO LEAGUE」なるものが発表され世間を賑わせました。実はTwitterの登録商標botのせいでネタバレを食らってたんですけどね…
公式の説明によると、6チームに選手4人がそれぞれ所属し、計24人のプロプレイヤーが誕生するとの事。今後どういう風になるのか音ゲーマーとして目が離せません。
どうやら、KONAMIはBEMANI機種に関しても、e-Sportsの流れを取り入れるみたいですね。今回発表された機種は弐寺のみですが、"BEMANI"と名前を冠しているところから察するに、弐寺でのプロリーグの評判が良ければ、他機種にもプロリーグが発足する可能性は十分にあり得ると思います。
ここで、一つ考えたいことがあります。それは「e-Sportsとして音ゲーを考える上での"対戦ルール"」についてです。これは将来音ゲーがe-Sportsとして発展していく上で考えなくてはならない問題の1つでしょう。
突然ですが、問題です。音ゲーが他のe-Sports(格ゲー、FPS、MOBA…)などと決定的に違う点は何でしょうか?
正解は、「究極的に人VS人ではない」という点です。多くのe-Sportsは、勝つべき対象が目の前にいます。格ゲーも、FPSも、倒す対象は相手の操作しているキャラクターですが、そのキャラを動かしているのは生身の人間です。つまり生身の人間同士の駆け引きが必ず発生しますし、それがこれらのゲームをe-Sportsたらしめていると言えるでしょう。
しかし、音ゲーはそうではない。音ゲーマーがプレー中に向き合っているのは対戦相手ではなく、譜面です。対戦相手がどんな人であろうと、同じ曲であれば同じ譜面(例外あり)が降ってきます。音ゲーの対戦、というのは複数人のプレイヤーが同じ譜面に対し、スコアの優劣を競っているにすぎません。そのため、音ゲーをe-Sportsとして成立させるには、「駆け引き」の要素を組み込むことが必要不可欠です。ただ運営から与えられた課題曲をこなすだけ、というのはe-Sportsと呼ぶには少し寂しいように思います。見てる側も面白くないもんね。
↑早くこれになりたい
ここからは、「駆け引き」の要素を取り入れたルールを2つ紹介します。
①ARENAモード
DOLCE.氏の監修によってできたという弐寺の4人同時対戦用ルールですね。ご存知の方も多いでしょうが、念のためルールを説明すると、「4人が1曲ずつ投げ合い、4曲プレーする。各曲に対し、1位が2点、2位が1点を獲得し、4曲終了時の合計点で競う」というものです。ちなみに、最近ではDDRのROUND1頂上決戦においてもARENAモードに準ずるルールで対戦が行われました。
このルールの良い所は「低難易度から高難易度まで多様な選曲が見れる」という点だと思います。ARENAモードでは、対戦相手よりEXスコア1点でも上回れば、順位点として2点が入るシステムのため「物量譜面を投げて粉々にする」という戦法が通用しません。自分も、「自選のクロペンで500点差つけて勝ったと思ったら、8分主体の同時押し曲でボコボコにされた」なんていう苦い経験もあったり…
②3カード方式
こちらは自分の周囲で、店舗大会や部内戦などを開いている方がよく使っているローカルルールになります。ルールは、「対戦する2人が自選曲の候補となる楽曲を3曲ずつボードに書き込む。この時に、"3曲の課題曲合計の難易度値の制限”のような縛りを加えておきます。そして、2人で同時にボードを公開し、それぞれが相手の書き込んだ3曲から1曲ずつ指定し、2曲の合計スコアで勝負する」というものになります。
このルールの良い所は「"2つの選択"ができる事で駆け引きの幅が広がる」という点です。"2つの選択"とは、「自選曲の候補3曲を何にするか」「相手の指定してきた3曲の候補からどれを選ぶか」という2つになります。特に、後者に関しては斬新なルールであると言えるでしょう。通常の対戦形式では、「自分の得意な曲は何か?」という事を考えて自選曲を投げ合います。しかしこのルールでは、後者の選択をするにあたって「自分の苦手な曲は何か?そして相手が書いてきた3曲にそれぞれどれだけ自信があるのか?」という見極めが必要になります。まさに、「敵を知り、己を知る」必要がある訳ですね。
さてここからは、The 9th KACのエリア大会を始めとした今の音ゲーe-Sports事情についてお気持ちを表明するパートになります。The 9th KACのエリア大会で大きく変わったことといえば、「エリア大会が開催される機種数が増えた、そしてエリア大会の出場枠が多くの機種で8枠から16枠になった」という点になります。この事自体は非常に評価できるポイントだと思います。より多くの機種でエリア大会で開催される事も、これまで表に出てこなかった上位プレイヤーがどんどん出てくる事も、KACという大会を盛り上げる上で、良い影響をもたらすこと間違いなしでしょう。
個人的に自分が問題だと思っているのは、エリア大会のルールの方です。今回のエリア大会では、かつて1曲ずつの投げ合い形式であった機種(DDRとか)ですら、多くの機種で出場者の選曲権が大きく制限されています。運営側の指定する課題曲候補からくじ引きで2曲選曲みたいな感じだったりとか。特にひどいのがギタドラで、1回戦(16→8)も2回戦(8→2)も事前発表の課題曲1曲勝負。自分はそこまでギタドラがっつりやってる訳ではないのでこういう事を言ったらダメなのかもしれませんが、このルールって適切に実力を反映していると言えるのでしょうか?これってギタドラが上手い、というよりも課題曲が上手い人が勝つのでは…?
別に自分は大会で「運営が課題曲を決めるのがダメ!」と言っている訳ではありません。実際、今年から開催されているmaimaiの公式大会(KING of Performai、KoP)のエリア大会では、予選(32→8)も、決勝トーナメントも課題曲は、指定の課題曲リスト(決勝以外は13、決勝のみ13+)の中からランダムで1曲選ばれるようなシステムになっています。
自分は、単なる音ゲーの大会でも、e-Sports的な音ゲーの大会でも、重要なのは「会場が盛り上がる事」だと思っています。そして、会場が盛り上がるタイミング、というのは「出場者が曲の難所を綺麗に光らせた時」だけではなく、「課題曲が発表される瞬間」も当てはまります。KoPの場合、「どれが課題曲として選ばれるんだろう…?」というのが全く想像がつかないため、観戦している側としては非常に面白いのではないでしょうか。対策する方はたまったものじゃなさそうですけどね…
このような点でも課題曲を完全に発表してしまう事は、大会としての盛り上がりを損なってしまうように感じます。さらに、KACの場合例年エリア大会がyourube liveなどで配信されています。果たして、16人のプレイヤーが全く同じ曲をやっている所を観るのが面白いのか?というのもあります。
9th KACでのエリア大会における大幅なルール変更の理由は、恐らく「出場枠と開催機種を増やしたために、2日間開催にしたとは言え尺が足りなくなったから」ではないかと予想しています。会場で設置できる筐体数の制限とかもあるでしょう。でもそれならば、無計画に出場枠や開催機種を増やすべきではない、と思います。エリア大会を開く機種を増やした結果、一機種一機種の扱いがないがしろにされるのは本末転倒ではないでしょうか。「KONAMI公式のe-Sports大会」の名を冠してKACを開催している以上、大会を開く事にこだわりすぎて「音ゲーも見かけ上対戦してるからe-Sportsだ!」と言い張るような"e-Sportsの表層だけをなぞる"感じにはなって欲しくないですね…
とは言っても大きく転換したのは事実なので、そのような面がどのように改善されていくのか、というのは今後に期待ですね。
それでは~