やまそうの音ゲー紀行

音ゲーに関する幅広い話題について書きます(上達論多め)

【音ゲー攻略】メイン機種が上手くなるために他の機種を触るべき?

どうも、やまそうです。

 

最近音ゲーについて書くネタがあまりなくて困っていたのですが、最近自分のツイートが少しだけバズったのでそれをテーマに書いてみようと思います。

 

 

ある機種のランカーが他の機種をプレーして恐るべきスピードで上達を遂げる事があります。俗的な表現ですが、これを指して音ゲーを『破壊』する」と言う事もあります。

 

そして、この「音ゲーを『破壊』する」とは行かないまでも、他機種で身につけた認識力や打鍵力を応用してメインの機種でも活かそうとする人たちがいます。具体的にはCHUNITHMやオンゲキといったゲームのプレイヤーが指押し力の向上を目的にiidxやSDVXなどをサブ機種としてプレーするケースが個人的に多いように感じます。

 

 

今回の記事では、「CHUNITHMやオンゲキ等のプレイヤーがなぜ他機種を触りがちなのか」「iidxやSDVXなどをプレーする事で具体的にどのような能力が備わるのか」「メイン機種が上手くなるために他の機種を触るべきか」といった3つの問いを通して、メイン以外の機種を触る事について上達論的な観点から分析してみます。

 

①「CHUNITHMやオンゲキ等のプレイヤーがなぜ他機種を触りがちなのか」

まず、1つ目の問いについて考えてみます。CHUNITHMやオンゲキのようなセガのゲームの特徴として、「見たまま押す事が不可能な譜面に対する抜け道が多く用意されている」という点が挙げられます。

 

例えばですが、CHUNITHMやオンゲキに共通する点として、KONAMIのゲームと比較した時にノーツを巻き込む判定幅が狭く、全押しするだけで通せる配置が極めて多いです。CHUNITHMだと、The wheel to the right(MAS)が8分でずっと全押しするだけで通る配置が多く、かつてはレート稼ぎに使われていた事などが代表例に挙げられるでしょう。

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一見難しそうな譜面ですが、ほぼ8分全押しで通るらしい

この他にも、オンゲキでは赤、青、緑のボタンが両サイドに配置されているため、本来右側のボタンで処理すべき所を左側の同じ色のボタンで処理する所謂「読み替え」が可能です。また、ボス曲クラスの譜面ではこの「読み替え」を前提とするような譜面が登場する事もあります。

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Don't Fight The Music(MAS)のラスト。ほぼ読み替えが必須

以上の事を踏まえて何が言いたいのかというと、セガ音ゲーは単曲に対する対策や粘着で上手くなりやすく、従来型の(iidxに代表される)音ゲーで要求されていたような認識力がなくてもある程度は上手くなれる」という点です。だからこそこれらのゲームは音ゲーを始めたての人に勧めやすく、魅力的な点であると言えます。

 

しかし、とは言えこれが仇となってしまう事があります。いくらセガ音ゲーが単曲に対する対策や粘着で上手くなるとは言え、全てそれで解決できるという訳ではありません。いわゆる「"音ゲー"が上手くないとできない譜面」というのは確実に存在します。つまり、そのような譜面が登場した際に「譜面の認識力が不十分な状態でいきなり認識力を多大に要求するような譜面と向き合わなければならない」という事です。

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Love & Justice(MAS)の終盤。これがpop'n musicちゃんですか?

そして、当然そのような譜面はCHUNITHMやオンゲキから音ゲーを始めたプレイヤーには大きな壁として立ちはだかります。更にタチの悪い事にそれらの譜面は表記難易度や譜面定数的に「今の実力帯ならできて当然の譜面」となってしまう事もあります。実際には、要求されている技術が従来その人がやってきたゲームと全く違うので出来ないのは当然といえば当然なのですが…

 

もちろん、「CHUNITHMやオンゲキの地力はCHUNITHMやオンゲキだけで鍛える事が可能だ」という意見もあります。しかし、他機種のランカーがいきなりこれらのゲームに殴り込んできて、年単位でやり込んでいるプレイヤーといきなり対等に張り合えているのを見れば、「他機種をやったら自分もメイン機種めちゃくちゃ上手くなるかも…」と考え、iidxやSDVX等を始めるのはごく自然なのではないでしょうか。

 

②「iidxやボルテなどをプレーする事で具体的にどのような能力が備わるのか」

次に2つ目の問いについて。他機種に地力を「移植」するためにプレーするのに相応しい機種として(個人的な見解ですが)iidx、SDVX、太鼓の達人の3機種が挙げられます。ではこれらの機種をプレーする事でどのような技術が身につくのでしょうか?

 

まずiidxですが、何といっても7レーンに鍵盤、1レーンに皿という合計8レーンにわたってノーツが降ってくるゲームなので認識力を鍛えるには非常に適しています。また、現在の音ゲーでは「ノーツが上から降ってきて、それを指で何らかの処理を行う」形式が主流なので応用できるゲームの幅が非常に広い、という点も魅力的でしょう。

 

「でもiidxと他の音ゲーだと降ってくるレーン数が違うじゃん」と言われそうですが、これについては自分の経験から「レーン数を減らす方向に対応させるのは容易である」という事が言えます。8レーンの音ゲーをやっている人が10レーンの音ゲーに対応するのは困難ですが、逆に4レーンの音ゲーに対応するのは指が余るためそこまで難しくないのです。

 

そして、9レーン以上にノーツが降ってくる機種はそこまで多くありません。というより、最近の音ゲーはレーンという概念がそもそもない事もしばしばあります。このような音ゲーではCHUNITHMに代表されるように、ノーツの幅が可変で例えば4分割ノーツで4レーン配置をやらせる、といった風にして擬似的にレーンの概念が発生する事が多いです。

 

次にSDVXですが、「いきなりiidxの8レーンはハードルが高い…」という方におすすめです。実際、取り敢えず4レーンの指押しができればある程度はなんとかなるので。また、SDVXは(特に難しい曲に関して)BPMが高い曲が多く、俗に工事現場と言われる事があります。そのため、BPMの楽曲に対する耐性をつけるのに適しています。

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大体かめりあさんのせいなんですよね

最後に太鼓の達人について。このゲームに関しては自分も普段からやっている機種ではないのですが、色んな機種のランカーに実は太鼓経験者です、という方をちらほら見かけるので挙げてみました。確かにこれは「太鼓の達人音ゲーの入り口としての役割を果たしているから」という点もありますが、これだけではないと思います。

 

具体的には、太鼓の達人リズムに対する基本的な理解をする上で非常に適しています。この音ゲーは正しく4分、6分、8分、12分、16分、24分、32分、48分音符の叩き分けができないときちんと精度を出す事ができません。音楽ゲームが「適切なタイミングで適切な入力をする」というゲーム性である以上、リズムに対する感覚は全ての音ゲーで重要となるため、非常に汎用性が高いと言えます。

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これは乱数調整のリバースシンデレラ(裏)に登場する7分音符


③メイン機種が上手くなるために他の機種を触るべきか

最後に今回のメインテーマについて自分なりの考えを記しておきます。結論から言うと、

「他の機種を触るモチベが維持できる、あるいは特定の機種でランカークラスになるまで本気で極めたいのであればやっておいた方が良い。しかし、そうでないのであれば無理にやる必要はない」

と考えています。これには2つ理由があります。

 

1つ目の理由は、「実際にメイン機種で活かせるようになるまでにかなり時間がかかるから」です。例えば、iidxを一切やった事がない人が仮にサブ機種としてiidxを始めるとして、一つの目標としてSP皆伝まで頑張るとします。この場合、日常的にiidxをやったとしても最低1年程度かかる事は覚悟しておいた方がいいでしょう。

 

問題なのは、「それだけの長期間iidxに対するモチベを維持できるか?」という事です。「iidxには自分のメイン機種にない面白さがある」と思って継続できるなら良いのですが、メイン機種のためにやりたくもないサブ機種の練習に時間を割く、というのはメンタル面でも悪影響でしょうし、何より長続きしないと思います。

 

2つ目の理由は、「様々な機種のランカーにこのタイプのプレイヤーが増えており、大きな脅威となりつつあるから」です。特に韓国出身のランカーはこのタイプが多いような印象ですね。

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CHUNITHMの大会なのに全員TENKAICHI ULTIMATE BOSSRUSH MEDLEY(MXM)をPUCしているらしい

ちなみにこの事については別の記事で少しだけ触れています。よろしければこちらの記事もぜひ。(宣伝)

vivace0319.hatenablog.com

では、彼らのように「音ゲーを『破壊』」してくる人達に対してどのように立ち向かえば良いのでしょうか?答えは簡単で、自分がそちら側の人間になればいい。だからこそ、自分は音ゲーが本気で上手くなりたい人に対しては他機種を触ってまず「地力のベースを作る」という事を推奨しています。実際、自分自身が昔から色んな機種を触っていたおかげで他機種を触る事による恩恵を普段の音ゲーでそれなりに得られているからでもあるのですが…

 

ところで、「難しい譜面がいきなり出来てしまうのはその音ゲーを楽しんだと言えないんじゃないか」みたいな事を言う人をたまに見かけます。しかし、難しい譜面が苦労せずにできるなら苦労しないに越した事はないと思います。

 

それだけに、めちゃくちゃ音ゲー上手い人が難しい曲だけやって、すぐその機種をやらなくなってしまうのを見ると勿体なく感じます。確かに音ゲーのプレースタイルは人それぞれ自由だからいいじゃん、という考えもあるのですが、せっかく地力が有り余っているのだからもっと低難易度の譜面も触ってみたらもっと楽しめるのではないかと思います。ひょっとしたら実はこれが音ゲーが上手くなるほど、もっと音ゲーが楽しくなる」の理想形なのかもしれませんね。

 

まとめ

セガ音ゲーは「ズル」できる反面、見たまま押す力が十分に育たないことも…

・地力上げのために触る機種としてはiidx、SDVX、太鼓の達人が効果的です

・もし地力上げのために他機種を触るのなら、その機種のモチベ管理は重要

 

それでは~