やまそうの音ゲー紀行

音ゲーに関する幅広い話題について書きます(上達論多め)

「おとつな」について考えた事。~元「おとつな」メンバーの視点から~

どうも、やまそうです。

 

3月2日に三田皓介氏(以下、「三田氏」)が音ゲー活動者部(仮)」というDiscordサーバーを立ち上げました。詳細は以下の画像をご覧ください。簡単に言うと、音ゲー関連のYouTuberやトップランカーを集めて、音ゲー界を盛り上げるためのサーバーでした。また、三田氏が3月6日に行った配信でこの集まりは「おとの-つながり」という名前に決定しました。(略称:おとつな)

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「おとつな」の概要

自分はこの画像を見て興味を持ち、最初は躊躇していたのですが、周囲の人達が参加しているのを見て「取り敢えずダメ元で応募してみようかな」と思ってDMを送りました。するとすぐに参加OKの返事が返ってきました。

 

自分がこのサーバーに参加しようと思ったのは、正にサーバーの目的と自分の意向が一致したからです。「様々な音ゲー有識者や活動者がいる事で、何か化学反応が起きて面白い企画が立ち上がるんじゃないか」という漠然とした期待を抱いていました。後は少し打算的ですが、Twitterのフォロワー数が多い人と仲良くなって自分のブログを拡散してもらえたら、もっと自分のブログを読んでもらえるかも……」という事も少しだけ考えていました。

 

しかし、事態は急展開を迎えます。三田氏は3月8日に突然の引退を表明しました。そしてその結果、「おとの-つながり」は3月10日に以下のツイートをもって事実上の活動停止となりました。

これに関しては自分も思う所が色々あり、それらの考えを整理するために今回の記事を書いています。

 

①そもそも「音ゲー業界を盛り上げる」って何だろう?
自分含め音ゲーのために何かしらの活動をしている人達は、音ゲー業界を盛り上げたい、と考えている方が多いと思います。では、具体的に「音ゲー業界を盛り上げる」とはどういう意味でしょうか?何を以て「音ゲー業界が盛り上がった」と言う事ができるのでしょうか?

 

自分もこの事についてはこれまで考えた事がなく、とても興味深い問題だと感じました。取り敢えずの答えとして最初に思いつくのが音ゲープレイヤー人口の増加」ではないでしょうか。ではこれが仮に正しいとして話を進めてみましょう。

 

(※今回はプレイヤーのみについて考えます。何故なら、作曲者や音ゲー制作者といったクリエイター達は音ゲーの制作者サイドであるので、音ゲーの発展に貢献している事が明らかだからです。「1プレイヤーとして何ができるか?」という話です。)

 

もしこれが正しいならば、「音ゲー業界を支えているのは数多く存在する("ランカー"と対比する意味での)一般音ゲーマー達である」という理屈が成り立ちます。すると、「おとの-つながりのような一部のランカーだけで集まった閉鎖的なコミュニティができるのは、音ゲー業界の発展という観点では逆効果ではないか?」という批判が考えられます。また実際にそのような意見を見かけました。

 

これについては確かに一理あると思います。実際にあのサーバーに対して(音ゲーの実力や活動者としての影響力という意味での)実力至上主義、悪く言ってしまえば差別的な印象を受け取った人は一定数いると推測しています。あのサーバーに入れなかった逆恨みでDMを晒し(?)ている方もいたようなので……

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スペースが余ったので「ようこそ実力至上主義の教室へ」の画像を貼っておきます

しかし、(今はもう叶いませんが)「おとつな」のグループとしての活動を見てから評価して欲しかったなとは思います。著名なランカーやクリエイター達が集まっているから価値があるのではなく、彼らが集まった事によって活動が起こる事に初めて意義があります。実際、サーバー内の雑談通話でも「ランカーやクリエイター達が仲良しこよしするだけのグループで終わって欲しくない」という話をしていましたし、「『おとつな』は帰属意識がほぼないし、あのサーバーに所属しているから偉いという集まりでもない」という話もしていました。とは言っても三田氏が引退宣言をしたせいで全てが水泡に帰したのですが……

 

②過去の言動と現在の言動
本人の引退ツイートでも言及されている通り、三田氏自身過去の言動が原因で様々な嫌がらせを受けていたようですし、短い期間でしたが「おとの-つながり」としての活動、即ち彼の配信のコメント欄やハッシュタグの荒れ方を見ても彼の事を嫌いな人が一定数いたのは事実です。

 

彼の過去の過ちは確かに社会的に見て容認できるものではないと思います。しかし、それに乗じて「彼の行動全てを叩いて良い、邪魔して良いと思っている人間が多すぎる」とも感じました。確かに「インターネットの有象無象(敢えてこういう書き方をします)に良い人である事を期待するのが間違っている」と言われてしまえばそれまでなのですが……正直、ある人が嫌いなら関わらなければいいだけで、その人の足を引っ張るのは非生産的な行動だなぁと思います。

 

確かに彼が「おとつな」を立ち上げる上での人の集め方の条件がまずかったり、思った以上に人が集まりすぎてしまったりといった不手際があったのは確かです。それでも、「様々な機種の音ゲーにおける有識者を集め、何らかの活動を起こそうとした」という試み自体はもっと評価されて良い、という風に思っています。彼のサーバーに集まった方々の音ゲーに対する熱意は間違いなく本物です。彼らの中には音ゲーに命を捧げている方がたくさんいますし、そんな彼らが協力する事で初めて生まれるコンテンツもあったと思います。

 

 

余談ですが、今回の件のような"過去の言動と現在の言動の線引き"って結構難しいですよね。「人前に立つ人間は、過去の言動までクリーンであるべき」という考え方はありますし、その人を見る人達の感情や、企業がその人を選ぶリスクを考えれば自然な事だと思います。しかし、最近はこの件に限らず「有名人の過去のスキャンダルを暴けば、貶める側はノーリスクで本人を引きずり下ろす事ができる」という事案を様々な所で見かけるようになりました。そのため、彼らはこのような悪意を持った人々に対する対策をある程度考える必要が出てきており、生きにくい世の中になったなぁと感じる所でもあります。

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炎上対策は大事

・まとめ

ここまで「おとつな」とそれを巡る話について書いてきました。今回の件については、もし成功すれば音ゲーコミュニティに対して大きな働きかけができる可能性があっただけに、三田氏に対しても、彼の引退のきっかけとなった悪意を持った人々に対しても残念に感じています。

 

一方で、今回の件がきっかけで音ゲーについてより深く考えるきっかけになったのも事実です。今回の件は何がまずかったのか、「音ゲー業界が盛り上がる」とはどういう事か、音ゲー活動者はどうあるべきかetc……ともかく、自分は出来る範囲でやれる事をこなして、文章としてコンテンツを提供して音ゲー業界に対して何かしら貢献できたらと思います。

 

それでは~