どうも、やまそうです。
早速ですが、この記事を読んでいる音ゲーマーの皆さんに問います。
「あなたは何故音ゲーが上手くなりたいのですか?」
この質問に対しては色々な答え方があると思います。「~という段位を取りたいから」「レート~になりたいから」、音ゲーに対する意識が非常に高い方なら「KACやKoPといった全国大会に出場したいから」と答えるかもしれません。とは言っても、明確な目的意識を持って音ゲーをやっている方はかなり少ないと思います。むしろ「楽しいから長期間やってたら気付いたら前より上手くなってた」みたいな方が多数派でしょう。
さて今回はこの質問に対する一つの答えについて検討してみます。その答えとは、
「音ゲーが上手くなれば、もっと楽しめるから」
というものです。
一見おかしい所は何もないように見えます。実際、昔の自分もこれを正しいと疑わず上達のためのモチベーションにしていましたし、精神衛生上健全な事だと思います。
しかし、今回伝えたいのは「音ゲーが上手いからこそ辛い事もある」という事です。
①「できて当然の事」が増える
プレー中に「今の実力ならこれくらいのスコアが出ればいいかな~」というのを考えている方は多いと思います。上手くなればなるほど、この"お上手スコア"の基準が高くなっていくため、以前なら「めちゃくちゃ上手い!!!」と喜んでいたスコアでも「まぁ今の実力ならこれくらいのスコアが出て当然だよね」とあまり喜べなくなります。
そして、最終的に「できて当然のスコア=理論値」となるとかなりしんどいです。そもそも理論値埋めという作業はプレイヤーによって向き不向きはありますが、「一度もミスが許されない」という性質から精神的にかなり負荷がかかります。また、「理論値を出さないといけないレベルの曲で理論値を出す事」によって得られる効用と「理論値を出さないといけないレベルの曲で理論値が出ない事」によるダメージを比較すると、後者のマイナスが圧倒的に大きいです。そのため、かなり上位のプレイヤーは多かれ少なかれ「理論値を出さないといけない」というある種の強迫観念に襲われているのではないかと思います。
②他人との比較
これに関しては「人の事を気にせず、自分のペースで上手くなれればそれでいいんだ」という考え方もあるので当てはまらない方もいるかと思います。しかし、多くの音ゲーマーは上達の事を考えると同じ実力帯のライバルを意識するのではないでしょうか。そんな中で、実力をライバルに追い抜かされれば色々ネガティブな事を考えるでしょう。ライバルに対して嫉妬し、自分の実力のなさやセンスのなさにショックを受けたり、大げさな言い方かもしれませんが絶望したりすると思います。
一つの解決策は最初に挙げたように「他人の上達ペースを気にしない事」なのですが、そう割り切れない人も多くいると思います。特にここ1~2年はBPLを始めとした音ゲーにおける対戦要素が注目されている事もあり、尚更他人との比較からは逃れにくくなっているかもしれません。
・それでも何故音ゲーが上手くなりたいのか?
ここまで「音ゲーが上手くなると楽しくなる」に対する反例を2つ挙げました。それらを踏まえて、上手くなっても苦しい事があるのに、苦しい思いをしてまで上達する意味はどこにあるのでしょうか?
これも色んな考えがあると思いますが、自分の意見を述べてみる事にします。一言で言うならば、「音ゲーでの自己研鑽は結局のところ楽しいから」です。
音ゲーはできなかった事をできるようにする作業の連続です。確かにできない配置を練習するのはとてもしんどい事ですが、その分できるようになった時の喜びも大きいものです。また、鍛え上げた地力を振りかざして短時間で凄いスコアを出したり、アリーナ等で対戦相手を地力でねじ伏せるのも楽しいです。これらの楽しみ方は音ゲーが上手くなければ成立しません。
結局のところ、「音ゲーが上手くなれば楽しくなる」というよりはむしろ「音ゲーが上手くなれば違う楽しみ方もできるようになる」という事なのだと思います。これらの楽しみ方に価値を感じるかどうか、というのは本当に個人の自由です。上手くなりたければストイックに上を目指し続けるも良し、カジュアルにやりたければ程々に頑張りながら曲や譜面やグッズといった要素に面白さを見出してゲームを愛するも良しです。この文章を読んで皆さんが自分なりの音ゲーをやる理由を見つけて頂ければ幸いです。
それでは~