やまそうの音ゲー紀行

音ゲーに関する幅広い話題について書きます(上達論多め)

プロセカの「音ゲー」としての問題点

あけましておめでとうございます、やまそうです。今年も当ブログをよろしくお願いします。

 

さて、年末年始は「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク(以下「プロセカ」)をずっとプレーしてました。インストールしたきっかけは、ゲキチュウマイとプロセカの楽曲が交換移植されるイベントです(既に「エンドマークに希望と涙を添えて」が猛威を振るっていますが……)。

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ongeki_officialにしてはかなり順当な選曲

という事で「せっかくなのでこの機会に世間で大人気のスマホ向け音楽ゲームでもやってみるか」という気になった訳です。かれこれインストールしてから3週間くらい経つのですが、今回は音ゲーマーの目線から「プロセカを3週間程プレーして良かった点、気になった点」について書こうと思います。

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Lv30くらいならAPできるようになりました

 

良かった点
①キャラ、ストーリーが良い
年末年始にちょうどメインストーリーがユニットレベルに関係なく読めるイベントがやっていたので、自分はそれでメインストーリーを読みました。5ユニットそれぞれのストーリーでキャラの成長や人間関係の発展が見られてとても良かったです。特に、「25時、ナイトコードで。」のストーリーは「素性をお互い知らない者同士が集まって曲を作る」というある意味"現代的"な雰囲気が心地よく、それに加えまふゆや絵名のような悩みを持った若者って沢山いるよなぁと思わせる、いわゆる"刺さる"ものであったと思います。

 

イベントストーリーの方は残念ながら時間がなくてまだほとんど消化しきれていないのですが、知り合いのオタク複数人から「全部読め」と脅されているので近いうちに読みます……

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鳳えむちゃんを信じろ

 

②曲が良い
プロセカでは有名ボカロP達が楽曲を書き下ろしているため、本当に曲が良いです。自分は普段ボカロ曲はAC音ゲーに収録されているような曲しか聴かないのですが、それでも刺さる曲がかなりありました。PVがプロセカ公式チャンネルの方で公開されているのもGood。余談ですが、最近はトンデモワンダーズのえむソロver.にハマっています。サビの歌い方がすき……

www.youtube.com

 

気になった点
①GREATが目視できない
これは恐らく数多くのプレイヤーが既に指摘していると思いますが、どこでGREATが出たか本当に分かりません。そのため、曲が終わって「ALL PERFECT」の文字が表示されるまでAPしたかどうか全く自信を持つ事ができません。


確かにPERFECTとGREATの音の違いで聞き分ける方法などを駆使すれば全く分からないという訳ではないのですが、だとしても「APしたつもりでGREATが5個以上出る」のような事が当たり前のように起こります。

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APした(つもり)

 

確かに、スマホ音ゲーで「理論値で通っているかどうか分からない」という問題は昔から存在していました。例えばCytusではC-Dragと言われるClick(叩くノーツ)とDrag(なぞるノーツ)が複合したノーツがあったのですが、青PERFECT(最高判定)と黒PERFECT(PERFECTだが最高判定ではない)の違いが非常に見辛くなっていたため、TP100(理論値の事です)埋めにおいて大きな鬼門となっていました。

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C-Dragの例

 

この他にも、Deemoでは「All Charming(理論値)ペースかどうか分からない」という声に対して「楽曲をプレー中『All Charming(AC)』『Full Combo(FC)』ペースの際、画面上にAC、FCに対応したアイコンが表示される」という仕様になりました。

 

しかし、プロセカのGREATの視認性の悪さはこの比ではないと思います。実際、ランカークラスの実力を持つ方々ですらGREATがどこで出たか分からない、と言っているみたいなので相当なのではないでしょうか。「本人的にはAPしたつもりでもAPできてない」という現象が頻回に起こると、音ゲーにおけるプレー体験の質を著しく損なうので早急に修正されて欲しいものです。

 

②譜面の難易度の上げ方に問題がある
これはある程度プロセカ以外の音ゲーをきちんとやった事がある方でないと納得してもらいにくいかもしれません。プロセカでは「レーンの広いノーツを多用する事で視認性を悪くして難易度を上げている譜面」が特に高難易度譜面で当たり前のように見られます。これらの譜面の事をプロセカ界隈では「認識難」と呼んでいるようです。この認識難譜面ですが、個人的には音楽ゲームにおける難易度の上げ方として適切でない」という風に感じます。

 

分かりやすくするために同じセガのゲームであるCHUNITHMと比較してみましょう。認識難譜面に該当するような譜面はCHUNITHMにも複数存在し、例えばチョウの標本(MASTER)、きゅうりバーにダイブ(MASTER)などが挙げられます。しかし、これらの譜面はCHUNITHMの中では「かなり個人差譜面」という扱いになっています。そのため、プロセカから音ゲーを始めたという方には「プロセカの認識難譜面は音ゲーの中でかなり特殊な譜面である」という事を知って頂ければと思います。

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I'm feeling a little shivers grinding down my spine…It's not so badwwwハッハッハッwww

 

とは言っても、認識難譜面そのものを批判したい訳ではありません。認識難譜面の中でも例えば「一見認識し辛いが、正しく取れば交互に取れるようになっている」という風に何かしらの意図を持った譜面であればそれは譜面の個性として認める事ができます。しかし、プロセカにおける認識難譜面は「ただただ視認性を悪くして譜面の難易度を上げたいがために濫用されている」という印象をどうしても受けます。また認識難譜面に限らず、プロセカの高難易度譜面ではいきなり24分トリルが飛んできたり、(実際には音取りをしているのでしょうが)何の音を取っているのか分かりにくかったりといった類の配置が見られます。

 

しかし、このような譜面が生まれてしまうのはある意味仕方がない側面もあるのかな、とも同時に思います。と言うのもプロセカがボカロをテーマにした音ゲーであるからです。ボカロ曲は基本的に人間が歌う事を想定しているため、一般的な音ゲーのボス曲と比較すると音数がどうしても少なくなってしまいます。その結果、「EXPERT譜面でおおむね音を取ってしまったため、MASTER譜面では視認性を悪くする以外に難易度を上げる手段が残されていない」という状況が生じているのではないか、と個人的に分析しています。「千本桜でボス譜面作ってね」って言われた人どんな気持ちだったんだろう。

 

③プレイヤーの実力を評価する指標の不足
プロセカはデッキによってスコアが変動する音ゲーです。一方で、完全に実力に依存したスコア指標が存在しないため、実力の参考にできるものが基本的にクリアランプしかありません。また、クリア、FC、APをした時にしかクリアランプが変化しないため、プレイヤー自身が「自分は上手くなったのかどうか」を確認しづらいという問題があります。自分はプロセカのような「ソシャゲ的要素を持つ(デッキによってスコアが変動する)音ゲー」はあまり詳しくないのでよく知らないのですが、他の音ゲーでも同様の問題を抱えているかもしれません。

 

ここで参考にしてほしいのが同じくセガのゲームであるオンゲキです。オンゲキでは、デッキによって変動するスコア(バトルスコア)とプレイヤーの実力に依存するスコア(テクニカルスコア)の2種類がリザルト画面で同時に表示されます。このようにすれば、ソシャゲをメインにプレーするプレイヤーも自分のようなコアな音ゲーマーも満足するのではないでしょうか。とは言っても実際には「判定を強化するスキル」が多くのソシャゲ系音ゲーでは存在するので実装は難しいかもしれませんが……

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上の数字がバトルスコア、下の数字がテクニカルスコア(101万点が理論値)です

 

ここまでプロセカについて、音ゲーの観点からかなりシビアな事を書いてきました。しかし自分はプロセカが嫌いな訳ではなく、むしろ少し期待すらしています。プロセカの公式Twitterアカウントのフォロワー数は100万人を超えており、音ゲーの公式Twitterアカウントとしては信じられないくらい多いです。そのため、プロセカがきっかけでもっと音ゲーを楽しむ人が増えて欲しいのです。だからこそ、プロセカ運営にはソシャゲ的な側面だけでなく、音ゲー的な側面にももっと目を向けて欲しいという風に考えています。

 

まとめ

・プロセカは曲とストーリーが良いのでやりましょう

音ゲーとしてはいくつか問題を抱えているので早く改善されて欲しいですね

 

それでは~