やまそうの音ゲー紀行

音ゲーの話とノベルゲームの話

【オンゲキアドカレ2021】異世界転生者向けオンゲキ上達論

どうも、やまそうです。

 

今回は、ぶちょーさんのオンゲキアドカレ企画へ寄稿する記事としまして異世界転生者向けオンゲキ上達論」というタイトルで文章を書かせていただきます。

 

ここで言う"異世界転生者"とは、「元々他の音ゲーをある程度やっていて、譜面認識力や指押し力の土台が既に完成している人」の事を指します。いわゆる「強くてニューゲーム」ってやつですね。最近自分の周りの音ゲーマーでもオンゲキを新しく始める方が増えてきたので、そういう方に向けた初心者指南的な感じでこの記事を役立てていただければ!

 

1. はじめに
まず、前提として"異世界転生者"はオンゲキを新しく始める上でかなり恵まれている、というのは強調しておきます。というのも、譜面認識力や指押し力というのは一朝一夕に身につく代物ではなく、かつオンゲキメインのプレイヤーの中でも見たまま押す必要がある指押し譜面を苦手としている方がかなり多いからです。その証拠として、オンゲキbrightにおいて前作で譜面定数が上方修正された曲の中にこのような譜面が多く含まれていた事が挙げられるでしょう。

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Adverse Gaffくんはついに14+に昇格しました

他機種出身の方目線で考えた時、いきなり13程度の譜面をやってもいわゆる4レーンの鍵盤配置だけはきちんと押せる、という方は一定数いるはずです。人によってはいきなり4レーンどころか6レーンですら一瞬で適応して13+や14の鍵盤譜面がいきなり押せてしまう事もあります。音ゲー星人こわい。

 

しかし、実際はオンゲキの譜面は鍵盤に特化した譜面だけではありません。弾避け、ベル回収などでレバー操作が難しい譜面、視覚的なギミックによって叩くべきノーツの見極めが難しい譜面、鍵盤と壁やレバーの移行が忙しい譜面などなど……そのため、「鍵盤譜面だけがいきなりできるプレイヤーが同じレベル帯の違う譜面を触ると、全くできなくて萎えてしまい、その結果すぐ辞めてしまう」という現象が起こります。これはあまりにも勿体ない事だと思います。何故なら"異世界転生者"は適切な練習をすれば多くの音ゲーマーが到達し得ない速度でオンゲキが上手くなる事が可能だからです。せっかく上手くなる素養があるのなら、他機種で培ったEARTH POWERをオンゲキで解き放ってみませんか?

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言い方はアレですが結局はこういう事ですね

 

2. 基礎的な動作の確認
オンゲキは要求される操作の種類が多い事がポイントです。以下それぞれの操作について解説していくのですが、その前にホームポジションの話を少しだけします。

 

オンゲキのホームポジション「左手でレバー、右手で右の鍵盤にそれぞれ手を添える」のが一般的です。そして、オンゲキを始めた直後の人が触る難易度帯(~12)くらいまではこの押し方だけである程度何とかなるように譜面が作られています。そのため、オンゲキを始めた直後はこの体勢を体に叩きこむ所から始めましょう。また、鍵盤は右の赤、緑、青それぞれ親指、人差し指、薬指で押すのが良さそうです。

 

では、ここからはオンゲキでの各操作について少しずつ解説していきます。

①鍵盤、ロング
4レーンや6レーンといった一般的な鍵盤譜面については特に説明する事はないのですが、鍵盤に関して、同じ色の交互連打について補足しておきます。

 

オンゲキでは左右に同じボタンがあるため、同色の縦連を左右で交互にボタンを押して処理する事ができます。しかし、「どちらの手から叩けば良いの?」となる事が多いと思います。オンゲキでは原則「縦連の1ノーツ目が画面の中央より左にあれば左始動、中央あるいは中央より右にあれば右始動」と考えておけば大丈夫です。

 

そして、縦連の話よりも重要なのが「ロングの仕様」についてです。この仕様の知識は12ぐらいの紫譜面を触る辺りから必須なのですが、なんとチュートリアルでこの仕様に関する説明がありません。これは別にオンゲキ運営が不親切な訳ではなく、この仕様を理解してもらうための譜面が稼働初期に収録されていますのでその譜面画像を使って説明します。

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初音ミクの激唱(LUNATIC)

オンゲキのロングの仕様として重要なのは以下の2点です。

・両側で同色のロングを長押しした後、片側のボタンを離すと、押したままの側にロングの判定が両方とも移動する
・あるボタンを長押ししてから逆側の同色ボタンを押すと、後で叩いた側にロングの判定が両方とも移動する(最初に押した方のボタンを離しても良い)

 

以上2つの仕様を踏まえると、上の譜面の叩き方は16小節で両方の緑を押す→16~17小節の間で左の緑を離す(右の緑は押したまま)→17小節で左の緑を押して、その後に右の緑を離す……という風になります。文章で説明すると一見ややこしいように聞こえるかもしれませんが、実際にやってみるとかなり直感的な仕様なのでぜひ筐体で練習してみてください。


②レバー操作
レバー操作は大きく分けて自機の操作(フィールド内に自機を置いておく、ベルを回収する、弾を避ける)、フリックの入力の2つに分類されます。自機の操作についてですが、基本的には「鍵盤を追いかけるように自機を移動させる事を意識」しておけば自然にベルを回収し弾を避けられるようになっている事が多く大丈夫です。勿論例外はたくさんあり、鍵盤とフィールドが違う動きをする、鍵盤上にベルと弾が交互に乗っているなどありますが、それはやっている内に慣れていただく事にしましょう……

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Hide&Attack(LUNATIC)のステルスフィールド破壊地帯

一方でフリックに関してですが、判定が鍵盤に比べて緩く、かなり適当に振ってもCRITICAL BREAKを出す事ができるのでそこまで光らせる意識はしなくても大丈夫です。

 

③壁
オンゲキ筐体の左右についている壁ドンボタンですね。正式にはSIDEと言います。このボタンの叩き方ですが、基本的には手の甲で押すのが良いでしょう。オンゲキでは鍵盤から壁への速い移行が要求される譜面が多いため、手の面で押すよりも移行のスピードが出るという点でおすすめです。

 

しかし、手の甲で押す方法には1つデメリットがあって、それが「連打のスピードが出ない」という点です。こういう場合は、手を面側に向けて指先に力を入れて押す方法が連打のスピードは出るのでおすすめです。

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Apollo(MASTER)のズタタズタタズタババババババババ地帯

また、どうしても片手処理ができない非常に長い壁連打の場合は両手で処理する事もあります。

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これはなに??????

 

3. 判定を掴もう
"異世界転生者"がオンゲキで挫折してしまう大きな原因の1つに判定があります。オンゲキの判定は少し特殊であり、例えばSDVXの上手い人がオンゲキをいきなり始めたところで判定はまず合わないでしょう。そのため、「完全に理解した譜面ならある程度普通に理論値が出せる」という程度まで判定を理解している"異世界転生者"はあまり多くないように感じます。実際そういう方々は14とか14+の高難易度譜面に特攻する方が楽しいでしょうし……(自分もそう)

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Falsum Atlantis(MASTER)のサビ本当に楽しい

とはいえオンゲキは各曲の最終目標が「理論値を出す事」なので、もし長期的な目線での上達を考えるのであれば判定の理解は必須です。そのため、判定を合わせるために「スコアを気にしない、判定調整のための期間」を設ける事をおすすめします。現在は判定A(描画に対する判定)、判定B(音に対する判定)の2種類の判定調整が存在するため、より判定調整がしやすくなっています(昔は判定Aしかありませんでした)。判定Bについては以前たけるんさんがTwitterに書いていたものが分かりやすいと思うので貼っておきます。

 

また、判定調整と同時並行で紫譜面を下から触ってみると良いでしょう。判定を掴む意味でもですが、"基礎力"がつきます。ここで言う基礎力とは「『様々な基礎的な配置を安定して光らせた事がある』という経験」です。これは特に14以上の高難易度譜面において理論値狙いをする上で生きてくる力です。高難易度譜面で理論値狙いをする場合、その曲の中では比較的簡単な8分のリズムや16分の交互配置でBREAKを出してしまうようではとても理論値を狙う事はできません。そのため、難所以外の勝率を100%に近づける事はある意味難所そのものの攻略よりも重要と言えるかもしれません。

 

オンゲキの収録曲数は現在540曲程度であり、判定を理解するために全曲プレーする、という選択肢はかなりアリだと思います。むしろ判定云々以前に名曲が高難易度以外にもたくさん眠っているので是非全曲プレーして自分だけのオンゲキで一番良い曲(複数名詞)を見つけてみてください。また上級者向けですが、ある程度理論値を出すのに慣れてきたな~という人は紫TTS(TOTAL TECHNICAL SCORE)の順位を目標にするのも良いでしょう。

 

4. 読み替えに慣れよう

オンゲキは左右に同色のボタンがあるため、場合によっては譜面制作者が意図したであろう押し方と異なる方法で譜面を処理することができます。しかし、"異世界転生者"は一般オンゲキプレイヤーと比較した際、見たまま押せる譜面密度の上限が高いため、多くの譜面を降ってきたまま処理しがちな気がします。

 

もちろん、読み替えを使わずに全ての譜面を攻略できるならそれに越した事はありません。しかし、オンゲキでは特に高難易度帯において「読み替えを使わないとほぼ認識不可能な配置」「読み替えをする事で大幅に難易度が下がる配置」が存在します。そのため、「典型的な譜面の読み替え方法」について知っておく事は非常に重要です。

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End Time(MASTER)のここは自分も6鍵の24分大階段処理してます(見たまま押せないので)

 

譜面の読み替えについての具体的な説明については、自分自身あまり専門ではないので、今回のオンゲキアドカレ企画を主催してくださったぶちょーさんの記事に譲ります。非常に読みやすいのでぜひ参考にしてみてください。

bg-otogame.hatenablog.com

 

5. おわりに

今回の記事ではここ4~5ヶ月程度自分がそこそこ真面目にオンゲキをプレーしてきた過程で学んだノウハウを言語化してみました。実はここまで書いてきた事って「オンゲキが上手い人なら無意識にやっている事」なのですが、彼らにとっては当たり前なためか、きちんとこれらについて説明している記事はあまり見かけない気がします。この記事がきっかけで、オンゲキのプレイヤー層がもっと厚くなれば幸いです。

 

まとめ

・"異世界転生者"はオンゲキが上手くなる才能の塊

・譜面の「セオリー」や各ノーツの叩き方を覚えよう

・最初はスコアを気にせず判定調整でベストな判定を探そう

・基礎的な読み替えについて知っておこう

 

それでは~