やまそうの音ゲー紀行

音ゲーに関する幅広い話題について書きます(上達論多め)

オンゲキ運指読み替え特論

どうも、やまそうです。

 

今回のテーマは「オンゲキの読み替え」について。実を言うと読み替えに関しては素晴らしい先行研究記事が複数存在するので、「今更自分がわざわざ書く必要あるか……?」とも思ったのですが、最近読み替えに対しての理解度上昇を感じている*1ので、この機会に自分なりの考えをまとめておくのも悪くないなと。*2

 

 

 

↓素晴らしい先行研究の例。あらかじめ読んでおくとこれから書く話が分かりやすいかも。良い記事すぎるので全オンゲキシューターの義務教育にしたい

bg-otogame.hatenablog.com

note.com

note.com

 

 

 

1. そもそも何故読み替えを使うのか?

具体的な読み替えの方法について言及する前に、「何故読み替えを使うのか」という根本的な疑問について自分なりの考えを述べておきます。まぁ一言でいえば「読み替えたら簡単になるから」なのですが、ここではもう少し突っ込んだ話をします。*3

 

まずオンゲキに限らずですが、基本的に音ゲーというものは譜面の認識→認識した通りに指を動かすというプロセスの繰り返しによって成り立っています。そこから考えると、「ある譜面が押せない」という状態はこのプロセスのいずれかに問題がある時に生じる、と考えられます。

 

つまり、

・そもそも譜面が認識できない(譜面認識力が足りていない、癖がつきやすい配置etc……)

 

・譜面は認識できるが、その通りに指が動かない(速すぎて物理的に追いつかない、指の独立性不足で指押しするのが困難)

という2つの押せない原因が考えられます。

 

認識が困難な譜面の例(サイハテの終盤)

 

指押しが困難な譜面の例(Aenbharrの終盤)



認識も指押しも困難な譜面の例(Regulusのラスト)

ここで譜面読み替えがこれら2つの問題を解決する方法である、と考えれば譜面読み替えの目的というのは自然に見えてくるはずです。

 

すなわち、譜面読み替えの目的とは

① 認識が困難、あるいは癖がつきやすい譜面*4に対して、認識に必要な思考リソースを減らし、そこまで考えずに押せるようにする

 

②物理的に入力が困難な譜面に対して、左右に同じボタンが存在する事や全押し等を駆使して物理的に押せる譜面にする

の2つである、と言えるのではないでしょうか。

 

 

 

2.  実例を見てみよう

では、ここからは実際に読み替えの実例についていくつか紹介します。可能な限り↑で紹介した記事には書かれていないものを補足する感じにしています。また、括弧内の数字は前項で延べた読み替えの目的のどちらに該当するかを示しています。

 

2.1. 片側を全押しにする(①)

オンゲキでは、仕様上BPM225の8分(8F)までであればCRITICAL BREAKで取り続ける限り絶対に巻き込まないようになっています。これは読み替えを考える上でとても重要な仕様になってきますので、頭の片隅に入れておいてください。

 

ここで、BPM225以上の曲というのはかなり限られてくる訳で、そうなると「ほとんどの曲は8分以上空いていれば空打ちを入れてもHITが出ない」となります。これを悪用したのが片側を全押しにする、言い換えれば8分ごとに空打ちを入れる技術になります。

Crimson Phoenixの終盤。そのまま押しても良いが……

右手側を全押しに読み替え。空打ちした直後の赤青は8分離れているため巻き込まない

 

 

FREEDOM DiVEのラスト。ラストにこんなヤバい配置を置くのやめてください!

実は左手側は全て全押しでOK。BPMは222.22(<225)、とギリギリで成立する読み替え



2.2.  内側配置→外側配置(②)

一般にオンゲキのホームポジションとされている運指では薬人親を使います。ここで、親指は薬指や人指し指より動かしにくいはず*5です。そのため、親指を酷使する内側の配置を読み替えて外側の配置にすると、親指の負担が減って押しやすくなります。

MEGATON BLASTのサビ前。内側32分が非常に難しい

右側の配置を左手、左側の配置を右手で処理する事で外側の4kに読み替えられた

 

 

2.3. 両手で取る配置を片側に寄せる (②)

オンゲキをやっていると、「左右の手が同期しなくて難しい」という難しさに直面する事が度々あります。*6そこで、両手に異なる色の同時押しが降ってくる場合、片側に寄せる事で簡単になる場合があります。

POTENTIALの加速地帯。人間の指はそんなに器用に動きません

部分的に交互配置に読み替える事で、片手トリルの大幅な削減に成功



Stardust:RAYの砂時計地帯。見たまま押せる訳ない

読み替え後。読み替えても後半の全押し単押しの押し分けは難しい……



 

2.4. マジパニ押しの有効活用(②)

マジパニ押し、というのはMagical Panic Adventure(MAS)に登場する壁+左赤や壁+右青のように壁と鍵盤の同時押しを指します。なんか最近では通常譜面にもしれっと出てくるようになりましたが……

THE TRiANGLEの難所。これはなに❓

 

そんな一見無理押しじみたマジパニ押しですが、これを上手く使う事で「壁で片手を封じられているため片手で鍵盤を取らないといけない配置」で両手が使えるようになる場合があります。

Singularity(technoplanet)の終盤。かなり有名な読み替えなので知ってる人も多いはず

左手側をマジパニ押しにする事で片手トリルを両手交互に出来た

 

 

Alea jacta est!に登場する片手トリル。ここが理論値最難所だと思ってた時期もありました

これもマジパニ押しを使う事でかなり簡単になります

 

 

2.5. 光っているノーツをずらす(①②)

光っているノーツに関しては押しさえすればCRITICAL判定が出る、というのはこの記事を読んでいる皆様ならご存じかと思います。そこで、「光っているノーツをずらして無理やり同時押しに持ち込む」という方法があります(上級者向け、理由は後述)

Prominenceのラスサビ前、速すぎて見たまま押せたものじゃない

緑に合わせて全押し!

 

 

Regulusくん再登場

光っているノーツを16分前にずらしたり後にずらしたり結果、ここまで簡単に

 

ここで紹介している読み替え方法なのですが、一つ弱点があります。それは「『変なタイミング』でボタンを押さなければいけなくなる」という事です。と言うのも、光っているノーツは拍の頭に置かれる事が多いため、ずらす読み替えを使うと16分裏拍のようにリズムを掴みにくい所で正確にボタンを押す事が求められます*7そのため、上級者の奥の手として頭の片隅に留めておくのが良さそうな気がします。

 

 

 

3.  読み替えを使う上で大切な事

3.1. 低速から練習しよう

ある譜面の読み替えを思いついたとして、実際に譜面動画を見ながら手を動かしてください。よほど簡単な読み替えでない限り、全く手が動かないと思います。

 

それもそのはず、実際の譜面は読み替えされていない状態で流れてくるから。

 

読み替えをしている状態での譜面の認識方法は普段とはかなり異なります。そのため、譜面動画で0.5倍速程度から手を動かしてみて、徐々に早くしていくのがおすすめです。

自分はこれ使ってます↓

fukuoka-life.me

 

 

3.2. 目押しとリズム押しの使い分けを意識する

読み替えの中には交互するだけのように単純なものから、読み替えても押し分けを要求される複雑なものまであります。単純な読み替えであればリズム押しだけで十分でしょう。

 

しかし複雑な読み替えでは押し分けを完全に暗記するのは困難であるのに加え、譜面を見ないのは間違った押し方を覚えてしまう「癖」の原因にもなります。そこで目押しを部分的に使う、というのが有効です。オンゲキ上手い人がたまに言っているかもしれない「ここは譜面見る/見ない」とかいうのがそれです。

POTENTIALの加速地帯その2。見たまま押すと片手トリルがめちゃくちゃ多い

読み替え後。4打ごとに譜面見る/見ないを切り替えています

 

 

3.3. 読み替えコストと押しやすくなる度合いを天秤にかける

読み替えの中には簡単なものから難しいものまで、言うなれば読み替えコストが小さいものから大きいものまで多種多様です。そのため、仮に読み替えが思いついたとしても、その読み替えが複雑すぎて実践できないとなれば本末転倒です。

 

そこで、読み替えを導入するか迷った時には「その読み替えを実践するのがどれくらい難しいか」「その読み替えを通す事でどれくらい押しやすくなるか」という2つの視点を持つ事が重要になります。

 

例として自分の実例を紹介します。以下の画像はXevelの終盤に出てくる難所です。

これが元14な訳ないですよね???

当時理論値狙いをしていてここの勝率が低くて悩んでいた時、以下のような読み替えを思いつきました。

24分階段を交互に読み替えた

しかし、読み替えを実践してもなかなか通りませんでした。何故なら、読み替えた場所でBPM185の24分=16分換算で277.5、とかなり速い交互を求められるようになってしまった*8からです。そのため自分はこの読み替えを諦め、最終的に見たまま押して理論値を出しました。時には読み替えを諦める覚悟も必要……

 

 

 

4. おわりに

という訳で今回はオンゲキの譜面読み替えについて解説しました。元々自分はオンゲキネイティブというより、他機種から来た人なのでかなり「見たまま押せ高校」寄りの人でした。

 

そんな自分が今となっては読み替えについての記事を書くようになりました。と言うのも、15の理論値を狙うために譜面研究をする中で、「思った通りの読み替えが通るの、実は面白いのでは……?」という事に気付き始めたからです。ゲームのバグ技を見つける楽しさに近いかも。

これは自分しか使ってなさそうな宿星審判ラストの読み替えです

 

最近は読み替えを使いまくっている影響で、忘れた頃にやるとスコアが壊滅しそうな気がしますが、それはそういう時になってから考えれば良いかな~とも思ってます。そもそも15ってそんなに曲多くない*9ので……

 

という訳で今回はこれで。最後に今回の記事で使った読み替えツールを貼っておきます。いつもめちゃくちゃお世話になってます……

mel225.sakura.ne.jp

 

それでは~

*1:大体15理論値粘着のおかげ

*2:あと最近ブログのネタがあまり思いつかない

*3:読み替える目的をはっきりさせておく事で、その目的に沿った読み替えを思いつきやすくなる、というメリットもあります

*4:癖がついた譜面では、通常より余計に譜面認識の方法に気を配る必要があるため譜面認識に必要な思考リソースは増えます

*5:親指は他の指とつき方が違うのである意味当然ではあります

*6:左右3鍵ずつで縦認識、みたいな事をしていると起こりやすい

*7:例えばViyella's Screamの対称5連トリルで裏拍に合わせて全押しなども有名な読み替えですが、16分裏拍のタイミングで押すのが安定しなかったため自分は採用していません

*8:太鼓勢のようにシングルに自信があるプレイヤーなら実用的な運指だと思います

*9:2024 4/12現在、紫20譜面+アメマイ白+怨撃