やまそうの音ゲー紀行

音ゲーに関する幅広い話題について書きます(上達論多め)

音ゲーのヤバい詐称譜面、集めました

どうも、やまそうです。

 

音ゲーには「詐称譜面」という概念があります。意味としては、「表記されている難易度不相応に難しい譜面」の事を指します。今回はそんな詐称譜面を様々な機種から集めてみました。それではどうぞ!

 

 

・サイレント(EX)/弁士カンタビレオ/pop'n music

まずは手初めに有名な所から行ってみましょう。サイレントこと「音楽」はpop'n music 17 THE MOVIEのボスとして初登場しました。

 

ここで注意しておきたいのですが、当時のpop'n musicの難易度表記は最高難易度が現在の50ではなく、43だったんですね。ちなみに当時のLv43の楽曲は、現在もLv50に君臨するトイコンテンポラリー*1やあまりにも尖ったソフランや配置でプレイヤーを苦しめるLv49のクラシック9などでした。イメージとしては、旧42=現行の48、旧43=現行の49くらいではないでしょうか。

 

さて問題のサイレントですが、MOVIEのボスとして43が来ると思っていたプレイヤーからは最初拍子抜けだったようです。しかし、解禁者が増えてくるにつれて「42であるにも関わらず、当時最強であった『トイコンテンポラリー』より遥かに難しい」という衝撃の事実が明らかになります。

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これ、「42と43たかが1の違いじゃないか」と思われる方もいるかもしれませんが、ポップンの歴史の中でもかなり"やらかした"詐称なのではないかと思います。言うなればこれは「現行の48と50を取り違える」レベルの事案なのですが、ポップンというゲームは48、49、50それぞれに地力の壁があるんですね。48をある程度埋めなければ一部の例外*2を除き49はクリアできませんし、50に至っては最弱とされているエンジェリオンですら最低でも49が8割クリアできる程度の地力がなければクリア挑戦権がない、という有様です。当然次回作で43に格上げされました。

 

余談ですが、ニエンテアンサーソングとして知られているリナシタもラストに強烈なラス殺しがあって49強~詐称レベルの難関曲なのですが、PSP用ソフト「pop'n music portable 2」で初登場した時の難易度は旧42だったそうです。どうしてそういう事するの??????

辛ゲージじゃなくて、本当に良かった

 

・ハロ/ハワユ(MASTER)/ナノウ/プロジェクトセカイ

2曲目からはプロジェクトセカイから、ハロ/ハワユです。この楽曲のMASTER譜面はプロセカのMASTER譜面で最低であるLv26*3の値がつけられています。

 

じゃあ簡単なのか、と思われるかもしれませんが、この譜面の真髄は精度の取りにくさにあります。元々楽曲自体のリズムが難しいのに加え、ハネリズムの音取りを間違えていると思しき箇所が存在する*4ため、極めて精度が取り辛くなっています。AP難易度に至ってはLv26にも関わらずLv28~29に匹敵すると思われ、ランクマッチにおいてもいわゆる「地雷曲」の1つなのではないでしょうか。

 

・Blue Noise(MASTER)/from PACA PACA PASSION/CHUNITHM

3曲目はCHUNITHMから、Blue Noiseです。CHUNITHM稼働初期から存在する曲者譜面にして、譜面-100号のヤバさを世に知らしめた譜面でもあります。稼働初期の譜面だからというのもあってか全体的にかなり尖った配置なのですが、やはり特筆すべきはラストの小粒配置でしょう。

指押し出来ない人間を葬り去る地帯

さて肝心の難易度なのですが、なんと12(12.4)→14+(14.5)というとんでもない変動をしています。ネタバラシをしてしまうと、CHUNITHM稼働当初は最高難易度が13までだったんですね。その後怒槌が初の13+として、TiamaT:F minor混沌を越えし我らが神聖なる調律主を讃えよが初の14として登場しました。その後CHUNITHM NEWで最高難易度が15になり、つまりは現在の14+というのは昔で言うところの13上位~13+に相当する訳で……ってやっぱり詐称じゃねーか!!!

 

・あ・り・ま・す・か?(MASTER)/温泉むすめ 有馬楓花(CV:桑原由気)「温泉むすめ」/オンゲキ

次はなんと版権曲から、あ・り・ま・す・か?です。オンゲキと「温泉むすめ」とのコラボで収録された楽曲で、難易度の変動は13+(13.9)→14(14.2)となっています。定数だけで見れば0.3の変動なのですが、実はとんでもない詐称譜面でした。複雑な混合フレーズや、BPM136の32分階段、極めつけは微妙な速さで何度も飛んでくる24分の6鍵階段など、13+を逸脱している配置が散見されます。

13+でこれは置いちゃダメだろ

そのあまりの難しさのためか、13+にいた当時は他の13+と比較しても全国ランキングのスコアが壊滅的な事になっていました。現在では14に昇格していますが、それでも「オンゲキのPOPS&ANIMEジャンルの中で唯一MASTER譜面の全国ランキングが理論値で埋まっていない楽曲」*5として異彩を放っています。

 

・IMI(EXT-G)/RYDER/GuitarFreaks

ギタフリから、IMIです。この楽曲は途中にBPM97の48分オルタ*6(16分換算でBPM291)という人体工学に反している*7としか思えない爆速オルタが特徴です。

速すぎんだろ……

難易度についてですが、なんと7.30→9.90という驚異の上昇を遂げています。初出のXG時代から現在にかけて全体的に難易度値が上昇している、という傾向を考慮しても最初に7.30って難易度をつけた人はおかしいと思います。

 

とは言っても、超速オルタ地帯以外は9.90にしてはかなり平和な配置が降ってくるため、オルタ地帯以外をほぼ繋ぐ事で一部のスキル帯では稼ぎ曲*8となるポテンシャルを十分に秘めています。DrumManiaをやっている方には伝わりそうですが、実はSpiral Wind(EXT-D)のような枠かもしれません。

腕が3本必要です。

 

・VOLAQUAS(MAS-D)/BEMANI Sound Team "DJ TOTTO VS 兎々"/DrumMania

前がギタフリの譜面だったので次はドラマニからVOLAQUASです。これはBEMANI全機種連動イベント「いちかのごちゃまぜMix UP!」の最終解禁楽曲*9として登場しました。この曲はいわゆるValangaやglaciaのような「伝説の山」シリーズにあたる曲なのですが……*10

 

さてDrumManiaの譜面についてですが、初出難易度は8.20。しかし、212の8分刻みに始まり、12分ツーバスをしながら手も忙しい配置や、16分の複雑なタム回しを強要されたりと、8.20としては信じられない配置が2分間続く地獄のような譜面でした。その結果、次回作「GITADORA FUZZ-UP」にて9.50まで昇格しました。余談ですが、同じ作品では版権曲の「夜に駆ける」がVOLAQUASよりも高い8.50の難易度がつけられていたのですが、あまりの逆詐称譜面っぷりに次回作では7.00まで降格するという事態に。

 

ちなみに、「いちかのごちゃまぜMix UP!」辺りの時期でDrumManiaに収録された楽曲はかなり査定に難がある曲が多かったように思います。White Stream(MAS-D)、Kilonova(EXT-D)、版権曲で追加されたミックスナッツ(MAS-D)などもFUZZ-UPにて難易度が1.00以上上昇しています。*11

 

従来GITADORAの難易度査定に関しては、あまりの滅茶苦茶さからプレイヤーからも「GITADORAの難易度はダーツを投げて決めてる」なんて言われてきた歴史があるのですが、個人的には「もう少しちゃんとした数値を設定してくれたら遊ぶ人も増えそうなんだけどな……」と思う所も少しありますね~

前作HIGH-VOLTAGEは難易度査定に問題のある譜面が多かった



・Arrabbiata(DP-EXPERT)/Reven-G改/DanceDanceRevolution

7曲目はDDRから、Arrabbiataです。DPという所がミソですね。この楽曲はDDR SuperNOVA2で移植されました。ちなみに、DDRポップンと同じく途中で難易度表記が変更されており、SuperNOVA2までは10段階表記、DDR X以降では20段階表記*12となっています。換算する方法としては「おおむね旧難易度を1.4倍すれば新難易度になる」というものが一応あるそうです。*13

 

ArrabbiataのDP-EXPERT譜面の難易度は旧足9。上の換算法を適応すると、現行基準で12~13程度になりそうですが、現在の難易度は足16。では実際にどんな譜面か見ていくと、強烈な振り回し配置が特徴的ですね。DDRのDPではパネルを左右合計8枚とかなり広い範囲を使用します。そのため、単に降ってきたパネルを踏むだけでなく、「どのノーツを左右どちらの足で取るか」「疲れないようにどうやって体の重心を移動させるか」なども重要*14になってくるのですが、この譜面のように左右に激しく振ってくる配置は単にしんどいだけでなく、譜面を認識するのも難しくなるんですね……

前やったら遠心力で体が吹き飛ぶかと思いました(未クリア)

 

・番外編

ここからは、諸般の事情で本編に含めなかった楽曲を紹介していきます。

 

・TOXIC VIBRATION(EASY)※修正前/SOUND HOLIC Vs. T.Kakuta feat. YURiCa/pop'n music

TOXIC VIBRATIONはGITADORA OverdriveのPREMIUM ENCORE楽曲として登場しました。その楽曲の人気からか、iidxやSDVXなどにも移植されています。しかし、事件はpop'n musicへ移植された時に起こりました。

 

その事件の内容とは、「ボツ譜面(と思われる)を実装時に残しっぱなしにしてしまう」というものです。ボツ譜面が残っていたのはEASY譜面なのですが、本来の表記難易度は10なのに対し、ボツ譜面には高速大階段や謎の縦連などが存在し、推定難易度はおよそ48程度という前代未聞の詐称っぷり。当然すぐに修正されたのですが、めちゃくちゃな配置ばかりなのにも関わらず修正前譜面のフルコンが確認されています。人類凄い。

これがLv10なわけないだろ!

 

・FIN4LE ~終止線の彼方へ~(MXM)※修正前/カモメサノエレクトリックオーケストラ/SOUND VOLTEX

FIN4LE ~終止線の彼方へ~はThe 6th KACオリジナル楽曲コンテストの最優秀楽曲である「HE4VEN ~天国へようこそ~ 」の続編となる楽曲であり、今となってはお馴染みのΩ Dimension というイベントにて登場しました。ちなみに"あの"悪名高い「Dyscontrolled Galaxy」と同期らしいです……

散々20と言われ続けている割には昇格しないディスコンさん

 

Ω Dimensionは当時初開催だったという事もあり、解禁初日は多くのボルテプレイヤーがワクワクしていたのですが、Lv20の譜面が明らかになると不可解な点が出現しました。

 

「『FIN4LE ~終止線の彼方へ~』のMXM譜面、500CHAINしかない上に曲が途中で終わるし誰でもPUCできる譜面なんだけど……」

 

当然当時のTwitterは大騒ぎ。実は、「『FIN4LE~終止線の彼方へ~』のMXM譜面が『凛として咲く花の如く スプーキィテルミィンミックス』のNOV譜面に差し替えられている」というバグでした。「凛として咲く花の如く スプーキィテルミィンミックス」はボルテにおいてチュートリアル的な立ち位置の楽曲であり、NOV譜面はLv1なので誰でもPUCできてしまうというのはあながち間違いではなかったようです。その後バグが修正されて過去最強クラスの譜面の全貌が明らかとなり、初PUC陥落まで1年近くかかるのですがそれはまた別のお話。

人間の指はBPM256の16分拘束トリルを押せるように設計されていません。

 

・おわりに

という訳で色んな機種から有名なものからマイナー寄りのものまで、詐称譜面を集めてみました。詐称譜面というのは難易度の割に(レート的な)旨味が少ない事もあり、往々にして敬遠されがちです。しかし、「公式が勝手にそう言ってるだけ」だと思うと少し楽になるかも……?

 

では今回はこれで。

公式が14と言ってるだけの14+

 

 

 

 

 

*1:楽曲名は「シュレーディンガーの猫」。「わけのわからないもの」の語源になった曲でもあります

*2:オイパンクやスクリーンなど、運ゲーでクリアがつきやすいタイプの譜面

*3:ちなみに最高はWhat's up? Pop!のLv37

*4:ハネリズムの音取りミスでDDRのbag(CHALLENGE)やHealing-D-Vision(CHALLENGE)(※修正前)を思い出した方は老人です

*5:2023年2月現在でも理論値が56人。ポプアニの14はこの他にカナリアやジングルベルがありますが、共に100人理論値で埋まっているのも時代を感じますね

*6:オルタネイトピッキングの略。ピックを一方向に弾くフルダウンの逆で、ピックを上下交互に弾く演奏方法の事。

*7:でもエクセ達成者はいるらしい、人類凄すぎる

*8:ギタドラには「スキル」と呼ばれる実力指標があり、50曲のスキル値の合計で計算されます。いわゆる"逆詐称曲"の事をギタドラではスキル値が稼ぎやすい事から「稼ぎ曲」と呼びます

*9:ファイナルミックスサブマリンボルケーノミュージック楽曲

*10:あれ、REFLEC BEATさんは❓

*11:※GITADORAの難易度は1.00~9.99です

*12:公式譜面は19までしか存在しない事に注意

*13:足10は青天井なので現行難易度で足18の曲なども存在します

*14:もちろんこれらはSPでも重要なのですが、DPではその重要性がかなり増します