【ゲキ!チュウマイAdvent Calendar2022】セガ音ゲーアーティストの他音ゲー曲を聴いてみよう
どうも、やまそうです。
今回は小林ヤバコさん*1の「ゲキ!チュウマイAdvent Calendar2022」に参加させて頂いております。セガ音ゲーマー渾身の記事が1日に3つも投稿されるのでもし興味があれば他の記事も是非読んでみてください!
さて、今回のテーマについてですがズバリ「ゲキ!チュウマイ*2に書き下ろし楽曲を提供しているアーティストの、それらの機種以外の音ゲー曲」についてです。
セガ音ゲーでは3機種ともかなり意欲的にBEMANI機種やスマホ音ゲー等で活躍しているアーティストを取り込もうとする流れがある訳ですが、セガ音ゲーをやっていて好きな曲があるのに、同じアーティストの他音ゲー曲を聴かないのはもったいない!そこで、今回の記事で布教してみようという訳です。
今回の記事では、セガ音ゲープレイヤーなら(恐らく)知っているであろうアーティストを5人pick upしてみました。そして、超有名曲から比較的マイナーな曲まで各アーティストごとに3曲、計15曲を紹介しています。今回の記事がきっかけでお気に入りの曲が見つかれば、と思います。
1. 黒沢ダイスケ
1人目は黒沢ダイスケ*3です。恐らくですが、今高校生ぐらいの音ゲーマーに「黒沢ダイスケの曲といえば?」と聞けば、CHUNITHMの「GIGA DRIVE」やオンゲキの「脳天直撃」、太鼓の達人の「Infinite Rebellion」などが挙がると思います。*4しかし、ここでは敢えて彼がコナミに所属していた時に使用していた「96」名義の曲を中心に紹介してみます。
1-1. 一網打尽/96/GITADORA
彼を紹介するなら、やはり一網打尽は欠かせません。この曲は彼のデビュー作にして、GuitarFreaks V4 & DrumMania V4のPREMIUM ENCORE STAGE、言うなれば大ボスとして登場しました。
そして肝心の譜面についてですが、特にギターのMASTERがとんでもない譜面になっています。詳しくは割愛しますが、ギタドラシリーズはXGというバージョンでギターのレーンの数が3つから5つになりました。*5そこで譜面が魔改造された結果、現在ではGuitarFreaksの最高難易度である9.99がつけられている3曲のうちの1つ*6となっており、その3曲の中でも断トツの難しさを誇っています。
1-2. KAISER PHOENIX/96/GITADORA
この楽曲もギタドラシリーズの中で今でも根強い人気があります。彼らしいメタル調の楽曲であり、サビのギターが特にカッコ良い!また、ドラムの譜面も無理な配置なく演奏感があってオススメです。
その人気もあってか、iidxにもSPADAの時に移植されています。しかし、DPHの譜面が10なのにも関わらず非公式難易度で何故か11.0の値がつけられており……
1-3. OVERHEAT/DOUBLE IMPACT/多機種
3曲目はOVERHEATです。この楽曲は96の1stアルバムである「BLACK ALBUM」に収録されており、AC音ゲーでは最初にREFLEC BEATへ収録されました。
さて、OVERHEATの最大の特徴は「収録機種ごとに収録されているパートが異なる」というものです。この曲はリフレクに収録された後、jubeatやGITADORA、ポップンなどにも収録されているのですがそれぞれType R、Type J、Type GD、Type Pと全て別音源となっています。実は元々CDのフルバージョン音源では4分程度あるのですが、その中の別々のパートを取ってきているという訳ですね。
譜面についてですが、特にjubeatでは縦スライド配置が多く苦しめられた方も多いのではないでしょうか。開幕が難しすぎる。
2. NAOKI
2人目はNAOKIです。言わずと知れたDDR最大の功労者の1人ですね。そのため「この方をセガ音ゲーアーティストとして紹介するのはどうなんだ……?」とは思ったのですが、気付いたらセガ音ゲーに曲を書き下ろしてました。なんで???
2-1. MAX300/Ω/Dance Dance Revolution
DDRのボス曲といえばやはりMAX300は外せませんよね。昔からDDRをやっている方なら曲のリズムどころか、譜面も暗記しているかもしれません。今となってはSingleのEXPERT譜面が15*7で上級者への入り口のような扱いになっていますが、出た当時としては頭1つ抜けた難しさを誇っており、ロケテでクリア者が現れなかったという逸話があるくらいだったそうです。
また、現在では削除されていますがiidxにも収録されていました。*8iidxのMAX300はというと、何故か開幕にノーツが存在しないBPM50の地帯が存在するため、そこにハイスピを合わせると突然ノーツが普段の6倍の速さで飛んできて即死するという事故が続出したとか……
2-2. DEAD END/N&S/Dance Dance Revolution
2曲目はDEAD ENDです。この曲も登場したDDR 3rdMIXではボス曲の1つだったらしいのですが、現在ではSingleのEXPERT譜面は12と中級者向けの難易度となっています。
しかし、この楽曲で真に恐れるべきはDDR SuperNOVA2で"GROOVE RADAR" Specialと銘打って追加されたChallenge譜面。DDRには五角形でその譜面の属性を表す「グルーヴレーダー」というものがあるのですが、このChallenge譜面は5つの譜面要素の値全てが100になっています。*9
つまりこの譜面のグルーヴレーダーは綺麗な正五角形になっている*10のですが、そのしわ寄せが譜面に行った結果、難関譜面ひしめく足18の中でも頭1つ抜けたトンデモ譜面になっています。EXPERT譜面には存在しなかった速度変化が追加され、ほぼ交互で踏めない配置、極めつけがBPM190の16分3連同時踏み。そのあまりの譜面の尖り方ゆえ、全国大会で何度も投げられ続けた曲であり、DDRの中でも数少ない「SHUFFLEが有効な曲」*11となっています。
2-3. KEEP ON MOVIN'/N.M.R./Dance Dance Revolution
さて、3曲目はIIDXにおいて色んな意味で大人気な楽曲*12、KEEP ON MOVIN'です。一部ではミーム的な人気を博しているようですが、普通に曲がめちゃくちゃ良いので聴いた方が良いです。その人気のあまり、譜面が見えない状態でRANDOMをかけ、HARDクリアしてしまう人も……?
ところで、ここまで3曲で「NAOKI名義の曲一つもないじゃん!」と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、実は別名義を頻繁に使う方なんですね。どこぞの黒猫さんか?
この曲が流行った大きな要因としては、IIDXの対人要素であるARENAモードの影響が大きいと考えられます。ARENAモードでは4人でマッチングをして、1曲ずつ自選曲を投げ合い、1曲ごとにつき1位が2点、2位が1点を得てその4曲の合計点で勝負します。ここで重要なのが「いわゆる勝ち星制である」という点で、この楽曲のSPH譜面は122ノーツ、SPN譜面は98ノーツしかないため、格上相手に下剋上を狙いやすくARENAモードで度々使われる事があるという訳ですね。
3. sasakure.UK
この方は音ゲーコンポーザーと言うよりむしろボカロPとしての印象が強い方も多いかもしれません。一方で、ゲキチュウマイ的には神威*13がCHUNITHMに電撃収録された事、the EmpErroRが解禁イベント「PANDORA BOXXX」において登場し、プロセカコラボの際にプロセカへ移植された事、Apolloがオンゲキで当時としては最高難易度であるLv15としてLAMIAと共に登場した事などが重要であり、ゲキチュウマイの音ゲーコンポーザーの中でも特になくてはならない方の1人なのではないでしょうか。
3-1. トンデモワンダーズ/sasakure.UK/プロジェクトセカイ
1曲目はプロセカから、トンデモワンダーズです。現時点で既に1500万回以上再生されているらしい……流石覇権スマホ音ゲーは格が違った。
この楽曲はプロセカ内のイベント「ワンダーマジカルショウタイム!」に関連して追加され、ボカロ歌唱音源に加えてゲーム内のユニット「ワンダーランズ×ショウタイム」*14の歌唱音源が収録されています。*15
譜面についてですが、EXPERTはかなり良心的な一方でMASTERは32とかなりの高難易度になっており*16、認識難に極振りした構成になっています。地力というよりも対策が重要な譜面のため、33以上の認識難への足掛かりになるかもしれない……?
3-2. 魔王(World Ender)/sasakure.UK × TJ.hangneil/Arcaea
2曲目は魔王(World Ender)。Arcaeaメインストーリー上の最終パックである「Final Verdict」にて解禁される楽曲です。Apolloもそうですが、この曲もプログレ調の楽曲で氏のミステリアスでかつ魅力的な世界観が見事に表現されているなぁと感じます。他にも氏の楽曲だとozmaやプロセカに書き下ろされたÅMARA (大未来電脳)なども似た路線の楽曲と言えるでしょう。
余談なのですが、少し前にArcaeaをインストールしてぼちぼち解禁を進めています。この音ゲー、アークノーツがめちゃくちゃ難しいですね……そもそもスマホ音ゲーで「左右の手を交差させる」という操作を要求するゲームってほとんどないので、慣れるまでにもう少し時間がかかりそうです。
3-3. ネリと琥珀糖/sasakure.UK/ノスタルジア
ノスタルジアから、ネリと琥珀糖です。この曲はノスタルジアの2作目にあたる「ノスタルジア Op.2」のデフォルト曲として追加されました。Op.2はExpertの上に新難易度「Real」が追加されたバージョンでもあるのですが、この曲もReal譜面が存在します。
曲についてですが、2種類のフレーズを繰り返すシンプルな構成にも関わらず、氏特有の雰囲気が感じられます。個人的には2つ目に出てくるフレーズの感触が大好きです。この曲を気に入った方はiidxのXløとかを聴いてみると良いかもしれません。
4. BlackY
セガ音ゲーに収録されている曲だとオンゲキのLAMIAやmaimaiのAMAZING MIGHTYYYY!!!!*17などが有名ですね。彼の音楽を一言で表すならば、「HARD RENAISSANCE」でしょうか。
とは言っても、HARD RENAISSANCEというのは正確な音楽ジャンルの1つという訳ではありません。元々はDJ YOSHITAKAのEvansやElemental Creationに対してポップンやiidxなどにおいて便宜上つけられているジャンル名であり、かなり大雑把に言うと「DJ YOSHITAKAっぽい音ゲー曲」の事を指していると思われます。これらの楽曲の共通点としては、シンセの音や「イントロ→主題の提示→休憩→転調した上で発展させた主題の繰り返し*18」という楽曲構成などでしょうか。ともかく、人には人のHARD RENAISSANCEがあるという事です。なんならBlackY本人もそう言ってますし……
ハードルネッサンスに明確な定義はぶっちゃけ全くないので、作った人がこれはハードルネッサンスですって言えばそれはハードルネッサンスだし、カレー食べたい
— BlackY (@BlackY_bemani) 2019年1月6日
4-1. XENOViA/BlackY/jubeat
1曲目はXENOViA。初めて聞いた時に衝撃を受けた曲の1つです。超王道の音ゲーボス曲であり、DJ YOSHITAKAの曲で育ってきた音ゲーマーが聴いて好きにならない訳がない!全音ゲーマーを童心に帰らせるカリスマ性のある曲だと思います。
後告知映像がめちゃくちゃカッコ良いので是非観て欲しい!また、動画にもありますが伝導条件の「KACでチャンピオンが出したスコアを超えると解禁」というのを考えた人、本当に天才です。
4-2. False Cross/BlackY/SOUND VOLTEX
2曲目はボルテからFalse Crossです。先程「BlackYの曲といえばHARD RENAISSANCE」という話が出てきましたが、彼はその他にもピアノの旋律を活かした楽曲もよく手がけています。セガ音ゲーで言うならば、maimaiのAlea jacta est!が近いかもしれません。
この曲はボルテ3作目である「GRAVITY WARS」の「SOUND VOLTEX III 制作決定記念 オリジナル楽曲コンテスト」という公募で採用されました。ちなみにですが、ポップンに収録されているSouthern Cross*19の続編になっています。興味があればそちらも是非。
譜面についてですが、SDVXでは終盤にピアノを意識した結果、2連打が大量発生している箇所があり、そこが特にスコアを詰める上での難所となっています。
4-3. 春告胡蝶/BlackY feat. Risa Yuzuki/SOUND VOLTEX
3曲目はボーカル曲から、春告胡蝶です。彼のボーカル曲はRisa Yuzuki氏が担当している事が多い気がします。オンゲキにも収録されているArcaeaのLöschenや、太鼓の達人の螺旋周回軌道などもそうですね。
この曲は、「The 9th KACオリジナル楽曲コンテスト」の入賞作品として配信され、「HEXA DIVER -狂騒サーカス篇-」というイベントで解禁できます。詳細は割愛するとして、このHEXA DIVERというイベントは「100%からスタートする減少型ゲージで0%にならずに完走する事」が解禁を進める上で重要なのですが、それを意識してかMXM譜面は初見だと対応するのがかなり厳しい配置が散見されます。アリーナで投げると刺さりそう。
5. Palme(Dirty Androids)
ラストはPalmeです。セガ音ゲーだとmaimaiのSignature、CHUNITHMのBlessed、オンゲキのIsland Breezeなどがありますね。特にIsland Breezeは二大EXPERT譜面からプレーすべき楽曲*20なので、普段はMASTERしかやらないよ、という人も是非EXPERTからプレーしていただければと思います。演出が凄すぎて全オンゲキプレイヤーの義務教育にしたい。
さて、元々Signatureがmaimaiに収録された頃から「PalmeはBEMANI機種等に楽曲を提供しているDirty Androidsと同一人物ではないか?」と噂されていたのですが、maimaiのサウンドトラック「maimai ALL PERFECT COLLECTiON」にてSignatureの作曲者欄に氏の名前が明記されている事から同一人物だと確定したという経緯があります。
5-1. Midnight Lady/Dirty Androids/beatmaniaIIDX
1曲目はMidnight Ladyです。オンゲキのIsland Breezeが好きな方は絶対聴きましょう。一般に音ゲー曲というと速い曲ばかり、という印象を持たれがちですが、だからこそこういう落ち着いた雰囲気の曲が心に響きます……夕方~夜にかけてこの曲を流しながらドライブしたら絶対気持ち良いと思います。ちなみに私は車の免許持ってません。
ちなみにイントロでサンプリングされているのは、氏が前作で提供しているSeaside Labyrinthという楽曲のフレーズになります。こちらも神曲なので是非。
5-2. City Never Sleeps/Dirty Androids/REFLEC BEAT
2曲目はCity Never Sleepsです。1曲目のMidnight LadyのDISCOな雰囲気とは打って変わってこちらは爽やかなドラムンベース。ピアノのメロディーにスピード感のあるドラムのリズムが加わる事で、まさにタイトル通りの「眠らない街」をイメージさせる楽曲となっています。
ちなみにこちらの楽曲はREFLEC BEATで初登場しましたが、現在ではIIDXやDDRでも遊べるようになっています。神曲は移植すればするほど良いと予言書にも先祖代々受け継がれてるアカシックレコードにも書かれてますね。*21
5-3. Cosmic Cat/8bit Moonside/beatmaniaIIDX
最後の曲はCosmic Catです。DISCO FUNK、ドラムンベースと来て、この曲は可愛らしいFuture Bassに仕上がっています。初めて聴いた時、「氏の曲の魅力はやはり"音"なんだなぁ」と実感させられました。良い曲なので取り敢えず聴いてください(語彙力消失)
ところで完全に余談ですが、音ゲー曲でタイトルに「猫」が絡む曲ってヤバいの多くありませんか?
おわりに
ここまで計15曲紹介してきましたがいかがだったでしょうか?筆者は音楽の知識に関しては素人も良い所なので、音楽に関する語彙が不足していて読みにくかった所もあると思います。しかし、この記事を通してセガ音ゲーに限らず、BEMANI曲やスマホ音ゲーの曲にも興味のアンテナを向けて貰えれば幸いです。「新しい曲との出会い」というのも間違いなく音楽ゲームの面白さの1つなので。
おまけ
なぁ@performai、「ぼっち・ざ・ろっく!」とコラボしないか……?
*1:小林ヤバコって誰❓
*2:以降、簡略化のためにこれらを「セガ音ゲー」と総称します
*3:以下アーティスト名は敬省略
*4:ジェネレーションギャップに、涙が止まりません
*5:ドラムの方は左足のペダルやタムが増えたりしました
*8:HEROIC VERSEで削除
*9:グルーヴレーダーの数値は基本的に0~200の値を取ります
*10:現在ではグルーヴレーダーの計算式が変わったため、正五角形にはなっていません
*11:DDRは基本的に交互で踏む事が前提のため、SHUFFLE(iidxで言う所のランダム)をかけるとほとんどの譜面では難易度が上昇します。しかし、一部の正規譜面が捻りまくっている曲(Shiny World鬼、Healing-D-Vision鬼、HyperTwist鬼など……)ではSHUFFLEをかける事で捻りが解消され、簡単になる事があります
*12:IIDXで人気なのにも関わらず、意外にも初出はDDRらしい
*13:sasakure.UKとTJ.hangneilは同一人物であるものとして話を進めます
*14:プロセカには初音ミクなどが属する「バーチャル・シンガー」も含めるとゲーム内ユニットが6つ存在し、「ワンダーランズ×ショウタイム」はその1つ
*15:より厳密に言えばアナザーボーカルとしてワンダショのメンバー1人ずつが歌った音源もありますね
*16:プロセカの最高難易度は36ですが、200曲以上収録されている現在においても33以上の曲は10曲前後しかありません
*17:WAiKUROって誰❓
*18:ここで大体難所が降ってくる
*19:403ではない方